Eternity

「Eternity」 -2016 130号・キャンバスにミクストメディア

About "Eternity"

本作は、高石瑞希とJulia Risa Parry (村上梨咲)によるコラボレーション作品です。2016年7月から9月末にかけて制作され、独立美術協会主催 第84回独立展に入選。同年秋、六本木・国立新美術館と大阪市立美術館にて展示されました。

Concept

作品のタイトル「Eternity」は、英国の詩人William Blakeによる同名の詩から引用。

空や翼といったモチーフを取り入れただけでなく、作品全体を貫くコンセプトとして、以下の詩文を参照しました。

 

 

 

"Eternity"

 

He who binds to himself a joy

Does the winged life destroy

He who kisses the joy as it flies

Lives in eternity’s sunrise

 

快楽に執着する者は

翼のついたいのちを壊す

飛び去る快楽に口づけして見送る者は

永遠の日の出のなかに生きる

Process

本コラボレーション作品は、大阪府・堺市文化振興財団主催のイベント「堺アートワールド 2016」でのライブペイントに端を発します。アートユニット「punchdrunker」として2014年から同イベントに連続出展していたJulia Risa Parry(村上梨咲)からの誘いで参加を決定。事前のイメージ共有や数回の打ち合わせを経て、2日間・計12時間の共同制作を行いました。

 

制作過程においては主にParry (村上)がタッチを活かして色面を構成し、その上に私がモチーフや緻密なパターンを乗せ、さらにそこへ生々しい色がぶつけられ……という風に、良い意味でのバランスの崩しあいがあり、その連続が画面上に何度もダイナミックな転換を引き起こしていました。結果、平面的な描画スタイルでありながら、いくつものレイヤーを持つ絵画空間が生まれたのです。

 

イベント終了後の約一ヶ月半をかけて、第84回独立展への応募に向け、作品のブラッシュアップを行いました。独立展とは、美術団体 独立美術協会が毎年10月に六本木・国立新美術館で開催する展覧会のこと。所属する会員の作品に加え、一般からも展示作品を公募します。2016年度も約110名の会員による審査が行われ、「Eternity」は80年以上の歴史を持つ同協会にとって史上初となる合作での一般入選を果たしました。また、同年11月には独立大阪展として大阪市立美術館に巡回展示されました。

第84回独立展 展示風景(六本木・国立新美術館)
第84回独立展 展示風景(六本木・国立新美術館)